「AtoNo Rec.」→「作詞AtoZ」

作詞

 

「AtoNo Rec.」→「作詞AtoZ」

C 「Chief character (主人公)」

映画や小説などに比べれば、時間的には短いものの、歌もりっぱなドラマのひとつです。
そしてドラマであるからには、そこに主人公が登場するわけです。

さて、歌の場合の主人公とは……一般的には「僕」「オレ」「私」といった、つまりはその歌を表現するボーカリスト自身ということになってきます。

それを解っていただいたうえで、今回は歌詞を書き上げたときのチェック・ポイントをひとつお話しすることにしましょう。

魅力的な主人公で歌詞を描こう!

そのチェック・ポイントのひとつとは……自分の書いた歌詞の主人公が“聴き手からみて魅力的な人物になっているか”ということ。

魅力的な人物とは、カワイイでもいいし、カッコいいでもいいし、イイこと言ってくれるヤツだな、というように聴いている人が思ってくれる人物ということです。

これは実際に歌詞に曲が付き、それがボーカリスによって歌われる時のことをイメージしてみると、より分かってくると思いますよ。

たとえばあなたがボーカリストとして日本武道館のステージにたっているとしましょう。
目の前には一万五千人以上のお客様が、あなたがどんな歌を聴かせてくれるのか今か今かと言う気持ちで待っています。

そんな時、ボーカリストであるあなたはお客さまから、どんな人物だと思われたいでしょう?

間違っても、なんてひどいヤツなんだ、アイツの言葉を聞いているだけで気分が悪くなってくる、なんてふうには思われたくはないはず。

むしろその逆。
今ステージで歌っているヤツ、カッコイイな、カワイイな、まるで自分のことを解ってくれているような、そうだ友だちのようなヤツだな、といったようにボーカリストなら聴き手からは思われたいはず。

つまりは、歌というドラマの主人公を(ある意味)演じるボーカリスト。
その人が歌いたくなる歌詞、多くの人の前で演じてみたくなる人物を主人公として提示していくことも作詞するうえでの大切なポイントのひとつであったということなんですね。

歌は、それを歌ってくれる人がいる。
そして、それを聴いてくれる人がいる。
きっと、あなたの好きな歌、あなたが良いなと思う歌の主人公も、聴き手であるあなたにとっての魅力的な人物が描かれているはず。

ご自分の好きな歌の歌詞を、そういった視点から一度じっくりと読み直してみるのも歌の楽しみ方のひとつだと思いますよ。

 

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