ゴスペルと演劇の共通点

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僕はゴスペルディレクターとして現在活動していますが、
実は元ミュージカルの劇団員で、
そのご縁もあり過去にはいくつかの演劇、ミュージカルに出演させて頂いていました。
そして今でも子どもミュージカルの団体の主宰をしていたり、
他ミュージカル団体の歌唱指導などを務めております。
そんな僕の周りでも時々ミュージカルが嫌いだという方がいらっしゃいますが、
その理由の中に、
「なぜいきなり歌いだすのかさっぱりわからん」
というものがあったりします、
まぁごもっともですね(笑)
では演じる役者はいきなり歌いだすというこの非日常な現象をどう捉えればいいのでしょうか?

僕はそんな時いつも、
「歌わないで、演じろ!」
とアドバイスをします。
例えば役者さんA君がミュージカルの中で「B君」という役を演じ、
劇中でソロがあるとします。
歌の好きなA君は、
「やっと俺のソロが来た!」
とガンガン歌うとします。

でもこれってこの時点で
芝居の時→B君
歌ってる時→A君
になっちゃってる訳です、
これとっても変ですね。

日常で例えるなら、
あなた自身が大好きなご飯を食べようと思ってたら、
食事をする瞬間にだけ誰か別の人に変身しちゃうってことです、
そして食事が終わると元のあなたに戻る、お皿だけを残して…
最悪ですね(笑)

極端な例ではありましたがつまり、
芝居の時→B君
歌ってる時→B君
になるようにする、
つまり歌を音楽として捉えず、
芝居の延長として捉えることが、
ミュージカルにおいてはとても重要だと僕は考えます。

「歌を音楽として捉えない」
これはゴスペルでもとても重要なことです。

「ゴスペルは音楽ではなく生活だ」
とも言われており、
ミュージカルで歌うときに音楽を「芝居=その役の生活」として捉えるように、
ゴスペルもその音楽を「歌う人それぞれの生活」に映すことが大切だと僕は思います。
(写真:日本にゴスペルブームを起こした「天使にラブ・ソングを…」は、ブロードウェイミュージカルとしても親しまれています)

 

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