作詞におけるシチュエーション作りの大切さ

  • Endo
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「♪ さいた さいた チューリップの花が ♪」でおなじみの「チューリップ」。
 
「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。」と語りかける「私と小鳥と鈴と」。
 
そしてSMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」。
 
 
だれもが知っている素晴らしい作品たちですが、このみっつの作品、詞をよく読んでみると、どれも同じようなことを言っていると思いませんか?
 
 
「どの花みてもきれいだな」「みんなちがって、みんないい」「そうさ、僕らは世界に一つだけの花」、どの作品も、だれもみなひとりひとりが素晴らしい命であるということをメッセージしているようです。
 
 
では、今度は逆に……ポピュラー音楽である「世界に一つだけの花」にはあり、他ふたつの作品にはないもの、何だかわかりますか?
 
 
答えはシチュエーション(状況)の明確さです。
主人公が花屋の店先に立っていろいろな花を見ているというシチュエーション。
 
 
ポピュラー音楽がヒットしていくためには、聴いている人が、その歌を自分のこととして感じ取ってもらうこと、つまり「共感」ということが大切なポイントのひとつになってきます。
 
 
この歌のように、聴き手が作品の世界を自分ごととして捕らえることができる状況作り……作品のテーマが大きなものであればあるほど、ポピュラー音楽においては、このシチュエーション作りが大切になってくるものなのです。