ブレスの音が大きい・目立つときの直し方|原因別の対処と練習法

ブレスの音が大きく目立つのは、吸うときにのどが狭くなっているか、口の開け方と吸う速さが合っていないことが主な原因です。のどの奥を広げて吸うと、静かで深いブレスになります。

歌のブレス音が大きく目立つ主な原因は、吸うときにのどが狭くなっていること、口の開け方が合っていないこと、吸う速さが合っていないことです。直し方の基本は、あくびの前のようにのどの奥を広げ、口を軽く開いて、スムーズに吸うことです。この記事では、ブレス音が出る仕組み、原因を4つに分けた対処法、マイクを使う場面の工夫、1週間の練習メニュー、録音での確認方法を順に紹介します。ブレスは、ときに歌の表現として「聴かせる」場面もあるので、消すべき場面と活かせる場面の見分け方にも触れます。

ブレス音が出る仕組み

息を吸うとき、空気がのどや口の狭い場所を通ると、擦れる音が生まれます。道が狭いほど、空気の通る速さが増して、音が大きくなります。ホースの先をつまむと、水がシューッと音を立てるのと同じ仕組みです。

特にマイクを通した歌では、吸う音が拡大されて、客席やスピーカーから大きく聞こえます。歌っている本人には気にならなくても、録音を聴き返すと驚くことがあります。ブレス音を整えることは、歌の聞こえ方をすっきり磨くことにつながります。

原因別の直し方

ブレス音が目立つ原因は、大きく4つに分けられます。自分に当てはまるものを探してみましょう。

原因 特徴 直し方
のどが狭くなっている 「ヒュッ」「ハッ」と高めの音が出る あくびの前のように、のどの奥を広げて吸う
口を開けすぎている 大きく口を開けて「ハーッ」と音が出る 口は軽く開く程度にし、鼻も使って吸う
吸う速さが速すぎる 勢いよく吸い込み、音が強くなる 吸う量を欲張らず、一定の速さで吸う
吸うタイミングが遅い フレーズの直前で慌てて吸い、音が大きくなる 前のフレーズの終わりから、早めに吸い始める

のどが狭くなっている場合

吸うときに、のどが閉じ気味になっている状態です。のどの奥を「ほんのり丸く」開く感覚で吸います。あくびをこらえるときのように、のどの奥の上側が持ち上がり、空気の通り道が広がる感覚を探してみてください。

口を開けすぎている場合

口を大きく開けると、空気が一度に入って、音が大きくなりがちです。口は縦に軽く開く程度にし、時間があれば鼻からも吸います。口と鼻を合わせて吸うと、空気の流れが分散して、音が穏やかになります。

吸う速さが速すぎる場合

短い時間で多く吸おうと焦ると、勢いが強くなります。吸う量を少し控えめにし、一定の速さで吸うことを心がけます。たっぷり吸うよりも、必要な量を静かに吸うほうが、次の声が楽に出ます。

吸うタイミングが遅い場合

フレーズの直前まで声を出し続け、最後の瞬間に慌てて吸うと、音が大きくなります。前のフレーズの終わりに、ほんの少し余裕を残して、早めに吸い始めます。歌詞カードに、ブレスの位置と吸い始めのタイミングを書き込んでおくと、迷いません。

吸う前の体の準備

ブレス音は、吸う瞬間の技術だけでなく、体の準備でも変わります。次の三つを歌う前に整えておくと、静かなブレスが取りやすくなります。

  1. 首と肩をほぐす。首をゆっくり左右に倒し、肩を大きく回します。首まわりの力みは、のどの狭さにつながります。
  2. あごをゆるめる。両手でほおの横を軽くなで、あごの力を抜きます。あごがこわばると、のどの奥が広がりにくくなります。
  3. あくびの感覚を思い出す。実際にあくびをして、のどの奥が広がる感覚を覚えておきます。その感覚を保ったまま吸うのが目標です。

準備を整えたら、小さな声でハミングしながら、ブレスの練習をするのもおすすめです。声を出しながらでも、吸う音を静かに保てるかどうかを確かめられます。体の準備は1〜2分で終わるので、歌う前の習慣にしてみてください。

マイクを使う場面の工夫

マイクで歌うときは、ブレス音が拡大されやすいので、次の工夫が役立ちます。

  • マイクと口の距離を調整する。吸うときは、マイクを少し口から離すか、口の斜め下へずらします。歌うときの距離は保ちつつ、吸うときだけ変えるのがコツです。
  • マイクの向きを少しずらす。口の正面から外すと、吸う息がマイクに直接当たりにくくなります。
  • 鼻から吸える場面を増やす。鼻から吸うと、音が出にくくなります。ゆとりのある間では、積極的に鼻を使います。
  • 吸う箇所を伴奏の音と重ねる。楽器の音が鳴っているタイミングで吸うと、ブレス音が目立ちません。

マイクの種類や会場によって、ブレス音の聞こえ方は変わります。リハーサルがあれば、吸う音がどう聞こえるかを、スタッフの方に確認してもらうと安心です。

消すブレスと、活かすブレス

ブレスの音は、場面によって、消す場合と聴かせる場合があります。表現として、あえて聴かせる場面も多くあります。

場面 ブレスの扱い
力強いサビの直前 しっかり吸う音を聴かせて、勢いを伝える
しっとりしたバラード 吸う音を小さく整え、静けさを守る
ささやくようなフレーズ 息づかいも表現として活かす
早口で言葉が詰まる箇所 音を気にして吸いすぎず、素早く短く吸う

大切なのは、「意図して選んだブレス」にすることです。意図しないブレス音が目立つのは気になりますが、意図して聴かせるブレスは、歌に表情を加えます。曲ごとに、ブレスの音をどう扱うかを決めておくと、歌がまとまります。

1週間の練習メニュー

日 内容
1日目 好きな曲のサビを録音し、ブレス音の大きさを確認する
2日目 あくびの前の感覚で、鼻から静かに4秒吸う練習を5回
3日目 口を軽く開け、口と鼻から1秒で吸う練習を5回
4日目 歌詞にブレスの位置と吸い始めのタイミングを書き込む
5日目 Aメロをブレスの印通りに歌い、録音で確認する
6日目 サビを印通りに歌い、吸う音の変化を確認する
7日目 1日目の録音と聴き比べて、変化を確認する

録音は、イヤホンで聴くと、吸う音がよく分かります。最初は、自分の吸う音の大きさに驚くかもしれませんが、変化を比べる材料になります。うまく静かに吸えた箇所は、そのときの口の開き方とのどの感覚をメモしておくと、次の練習で再現しやすくなります。

ブレス音の確認ポイント

練習のあとに、次の項目を確認しましょう。

  • 吸う音が、歌の声よりも目立っていないか。
  • 吸うときに、肩が上がっていないか。
  • 吸ったあとに、すぐ歌い出せているか。
  • 吸う音が「ヒュッ」と高く鳴っていないか。
  • 歌詞に決めた位置で、同じように吸えているか。

できている項目は、自信にしてください。まだ整っていない項目が分かれば、それが次の練習のテーマです。のどの奥を広げる感覚は、毎日少しずつ練習すると、変化を感じやすくなります。

ブレスの整え方を一緒に見直したいときは

吸う音は、自分の感覚では気づきにくい部分です。ATOボーカルスクールは、Zoomで受けるオンラインのレッスンで、一曲の仕上げの中で、ブレスの位置や吸い方を一緒に確認できます。たーなー先生と、そのもとで学んだ講師陣が、その人の声に合う息の使い方を整えます。体験は1回(25分)で、お話だけで終えることもできます。

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よくある質問

ブレス音は完全に消したほうがよいですか?

消す必要はありません。力強いサビの直前などでは、吸う音が勢いの表現になります。意図しない大きな音を整え、聴かせたい場面では活かすのがおすすめです。

鼻から吸うと音が出ませんか?

鼻から吸うと、音は小さくなります。ただし、短い間では吸う量が足りないので、場面に合わせて口と鼻を使い分けます。

マイクの扱いで音は変わりますか?

変わります。吸うときにマイクを口の斜め下へずらすなど、距離と向きを調整すると、ブレス音が目立ちにくくなります。

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