相対音感の鍛え方|音の高さを耳で比べる練習メニュー

相対音感は、生まれつきの才能ではなく、練習で育つ力です。基準の音と比べて、音の距離を耳で測る習慣を、毎日少しずつ積み重ねましょう。

相対音感とは、ある基準の音と比べて、別の音がどれだけ高いか、低いかを聞き分ける力です。この力は、練習すれば誰でも伸ばせます。方法は、基準の音を決めて、その音からの距離を耳と声で確かめる練習を、毎日少しずつ続けることです。この記事では、相対音感の意味、歌にどう役立つか、一人でできる鍛え方、移調練習、一週間の練習メニューまでを順に紹介します。音楽の経験が少ない人でも、始められる内容です。

相対音感とは何か

相対音感は、「基準の音を聞くと、そこからの距離で、次の音の高さが分かる」力です。たとえば、ドの音を聞いたあとで、ソの音を歌うとき、ドから五つ上の音だと感覚でつかめる状態を指します。

これに対して、絶対音感は、基準がなくても、単独の音の高さが分かる力です。歌や演奏では、どちらかというと、相対音感のほうが日常的に役立ちます。曲のキーを変えても、メロディの形を保てるのは、相対音感が働いているからです。

比べる点 相対音感 絶対音感
分かるもの 音と音の距離 単独の音の高さ
基準の音 必要 不要
練習での伸ばしやすさ 大人でも伸ばせる 幼い時期の経験が関わるとされる
歌での役立ち方 キーが変わっても、メロディをなぞれる 音名をすぐに言い当てられる

歌に役立つ場面

相対音感が育つと、歌の中で次のような変化が起きます。

  • 歌い出しの最初の音を、迷わず出せるようになる。
  • メロディの上がり下がりを、耳で覚えやすくなる。
  • 伴奏のキーを変えても、歌のメロディを保てる。
  • ハモりの音程を、耳で探せるようになる。
  • 歌が外れたときに、どちらにずれたかに気づける。

特に、歌い出しや、サビで音が大きく跳ぶ場面で、効果を実感しやすくなります。音が外れた原因が分かると、直し方も見えてきます。

基準の音を決めて、距離を聞く練習

最初のステップは、基準の音を一つ決めて、そこからの距離を聞き分けることです。ピアノのアプリや鍵盤、チューナーのアプリなどを用意します。

  1. 基準の音(たとえば、ドの音)を鳴らし、声で同じ高さを出します。
  2. 次に、基準の音の三つ上(ミ)の音を鳴らし、声で出します。
  3. 基準の音に戻って、同じ高さを出し、音のずれを確かめます。
  4. 慣れたら、基準の音の五つ上(ソ)や、二つ上(レ)など、別の距離も試します。
  5. 鳴らす音を、聞く前に、まず頭の中で歌ってから、実際の音で確かめます。

答えを聞く前に、自分で予想してから確かめる流れが、耳を育てます。当たったときも外れたときも、その差を観察することが大切です。

音を聞き分けるときの三つのコツ

  • 目を閉じて聞く:鍵盤や画面を見ないで聞くと、耳に意識が集まります。
  • 口の中で小さく歌う:聞いた音を、声に出す前に、頭と口の中でなぞると、記憶に残りやすくなります。
  • 低い音から高い音へ、順に聞く:音階の順に並べて聞くと、距離の違いが整理されます。

聞き分けに迷う場面では、基準の音をもう一度鳴らして、最初に戻るのが近道です。基準の音がぶれなければ、他の音もつかみやすくなります。

曲を使った音程の覚え方

音の距離は、よく知っている曲の出だしと結びつけて覚えると、記憶に残りやすくなります。次の表のように、自分の頭に残っている曲を、音の距離ごとに集めてみてください。

音の距離 結びつける曲の例 使い方
同じ音の連続 「きらきら星」の最初の二音 基準の音と同じ高さを出す感覚の確認
五つ上がる 「きらきら星」の二つ目から三つ目の音 大きく上がる音の感覚をつかむ
少しずつ上がる 「ドレミの歌」の最初の部分 音階の並びを耳で確認する

自分の好きな曲や、普段から口ずさむ曲でも構いません。大切なのは、その出だしを聞いただけで、何度上がるか、下がるかを、頭に思い浮かべられるようにすることです。

移調して歌う練習

相対音感が育っているかを確かめる方法が、同じメロディを、別の高さで歌う練習です。

最初の一音だけを変える

簡単な曲(「きらきら星」など)を、いつもより少し低い音から歌い始めます。最初の一音を決めたら、あとは距離の感覚だけで、メロディをなぞります。

半音ずつ上げていく

同じ曲を、半音ずつ高い音から歌い始めます。キーが変わっても、メロディの形が保てるようになると、相対音感が機能している証拠です。

歌えない高さに気づく

移調の練習をすると、自分の歌える音域の範囲も見えてきます。無理に出せない高さは、その日の練習では深追いせず、楽に歌えるキーを見つけておくと、曲選びにも役立ちます。

一週間の練習メニュー

毎日十分から十五分を目安に、次の流れで進めます。短くても、続けるほうが、耳は育ちます。

曜日 内容
月 基準の音を一つ決め、声で同じ高さを出す
火 基準の音から、三つ上・五つ上を聞き分ける
水 好きな曲の出だしの音を、頭の中で予想してから確かめる
木 簡単な曲を、別の高さから歌い始める
金 短いメロディを、耳で聞いて、鍵盤やアプリで探す
土 録音して、メロディのずれを確認する
日 休み、または好きな曲を自由に歌う

金曜の耳コピは、最初は二、三音のメロディから始めます。耳で聞いた音を、声で出し、鍵盤で確かめる流れを繰り返すと、音の距離の感覚が着実に育ちます。

続けるための工夫

耳の練習は、変化が見えにくいぶん、続けにくい練習です。次の三つを取り入れると、継続しやすくなります。

  • 毎日同じ時間に行う:歯みがきの後や、お風呂の前など、決まった時間にすると、習慣になります。
  • 記録を残す:聞き分けられた距離を、ノートに書いておくと、成長が見えてきます。
  • 歌う曲と結びつける:練習で使った距離が、実際の曲のどの場所に出てくるかを探すと、練習の意味が実感できます。

伸びを感じるまでの期間は、人それぞれです。最初の数日は、変化がないように思えても、続けるうちに、ある日ふと、聞き分けられる距離が増えている瞬間が来ます。その瞬間を楽しみに、毎日の短い練習を積み重ねてみてください。

耳コピで音の距離を確かめる

耳コピは、相対音感を実際の曲で試す、実践的な練習です。短いフレーズを二、三回聞き、最初の音を決めます。次に、その音から、上がるのか、下がるのかを予想して、鍵盤やアプリで探します。外れても落ち込まず、どれだけ違ったかを観察しましょう。音の距離を比べる作業そのものが、耳を育てます。慣れてきたら、サビの一節など、少し長いフレーズに広げていきます。

歌の音程を一緒に整えたいときは

耳の練習は、一人でも続けられますが、自分の音程のくせは、歌を聞いてもらうと、早く見つかります。ATOボーカルスクールは、オンラインのZoomで受講できるボイトレのスクールで、たーなー先生と、そのもとで学んだ講師陣が教えています。たーなー先生はボイストレーナー歴30年、5万人以上を指導し、カラオケ採点100点の教え子も500名以上います。月4回16,500円(税込)、1回25分のレッスンです。体験1回で、音程が気になる曲を一緒に確認できます。

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よくある質問

大人になってからでも、相対音感は伸びますか?

はい、伸ばせます。基準の音との距離を聞く練習を、毎日少しずつ続けると、変化を感じやすくなります。

楽器がなくても練習できますか?

できます。手軽に使えるピアノのアプリや、チューナーのアプリがあれば、基準の音を鳴らして練習できます。

絶対音感がなくても、歌は上手になりますか?

はい。歌では、相対音感のほうが日常的に役立つ場面が多く、練習で育てられます。

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