結論:弾き歌いの「歌」は、次の4つで変わります。
- キーは「自分の声が楽に出る高さ」に下げてよい(試験は移調してよいと明記されています)
- 声の大きさは「ピアノの音より半歩前」。目の前の5歳の子に話しかける声で歌う
- 音程は「歌だけ」で先に固める。ピアノと合わせるのはその後
- 言葉は母音をはっきり、語尾を投げない。子どもが歌詞を聞き取れるかが基準
本番は令和8年後期の実技試験 12月13日(日)。4週間の練習表を4章に載せています。あなたのキーと声の出し方は、無料体験(オンライン25分)で確かめられます。
保育士試験の実技「音楽に関する技術」は、ピアノ(またはギター)を弾きながら歌う「弾き歌い」です。練習の時間はどうしてもピアノに取られます。ところが、ボイストレーナーとして30年、延べ5万人以上の声を聴いてきた私から見ると、弾き歌いで点を落とす人の多くは「指」よりも「声」でつまずいています。ピアノに集中すると声が小さくなり、音程が下がり、言葉が子どもに届かなくなるのです。
この記事では、伴奏の練習はピアノの先生に任せたうえで、「歌」の部分だけを本番までの4週間で整える方法をまとめます。ATOでは、保育士・幼稚園教諭を目指す方、現役の保育士さんの弾き歌いの「歌」のレッスンも行っています。
こんにちは、たーなー先生(田中直人)です。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導し、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王の指導もしてきました。劇団四季・宝塚に進んだ方や現役の方の指導経験もあります。
1. 試験の「音楽に関する技術」で、歌について決まっていること
令和8年後期の要項(全国保育士養成協議会)で、歌に関係するところだけを抜き出します。
- 課題:幼児に歌って聴かせることを想定して、2つの課題曲を弾き歌いする
- 課題曲:『うれしいひなまつり』『山の音楽家』
- 楽器:ピアノ(会場のもの)またはアコースティックギター(持参・カポタスト可)
- 移調してもよい
- 添付楽譜に示された部分のみを弾き歌いする/前奏・後奏の追加は任意
- 伴奏は添付楽譜のコード進行を尊重する
- 楽譜(紙のみ)の持ち込み可
- 合格基準:各分野50点満点で、選んだ2分野とも6割(30点)以上
最新の内容は必ず公式の要項で確かめてください(全国保育士養成協議会「実技試験(後期)概要」)。
ポイントは「幼児に歌って聴かせることを想定して」という一文です。上手に聴かせる歌ではなく、子どもの前で、子どもに届く歌が求められています。ここを取り違えて、声楽のように響かせようとしたり、逆に恥ずかしくて小声になったりする人がとても多いのです。
2. 弾き歌いで「歌」が崩れる3つの原因
原因1:ピアノに意識を取られて、声が小さくなる
人の注意は、同時に2つの細かい作業を続けるのが苦手です。指が難しい小節に来た瞬間、声がすっと小さくなる。弾き歌いの録音を聴くと、ほとんどの人に「声が消える小節」があります。
→ 対策:その小節だけ、伴奏を左手のベース音1つに減らして歌う練習をする(本番は楽譜どおりに戻す)。
原因2:キーが合っていなくて、高い所で喉が締まる
楽譜の高さのまま歌って、サビの高い音で喉が締まり、音程が下がる人が多いです。試験は移調してよいので、無理をする理由はありません。
→ 対策:3章の「キーの決め方」で、楽に出る高さに下げる。ただし下げすぎると子ども向けの明るさが消えるので、1〜3半音を目安に。キーを半音ずつ動かす考え方はキーの決め方の記事も参考に。
原因3:音程を「ピアノに頼って」覚えている
ピアノの右手が主旋律をなぞる楽譜だと、歌はピアノに引っぱってもらう形になり、自分の声で音程を取る力が育ちません。指がもつれた瞬間に、歌の音程も一緒に崩れます。
→ 対策:まず「歌だけ」で音程を固める(アカペラで歌える状態にしてから合わせる)。音程の練習は音程を安定させる記事に詳しく書いています。
【たーなー先生の現場から】レッスンでは、最初に1曲を歌だけで歌ってもらいます。弾き歌いで音程が崩れる方の多くは、歌だけでも同じ所が揺れています。つまり、ピアノのせいではなく、その音の出し方を体がまだ覚えていないんです。そこを先に直すと、弾き歌いはぐっと楽になります。「歌だけで固めてから合わせる」は、どのレベルの人にも共通する近道です。
3. キーの決め方と、子どもに届く声の出し方
キーの決め方(5分でできる)
- 楽譜のキーのまま、歌だけで1番を歌う。一番高い音で「喉が詰まる」「声が細くなる」なら下げる候補
- ピアノ(アプリでも可)で1半音ずつ下げて歌い、「高い音でも話し声に近い太さで出る」所を探す
- 下げすぎの確認:一番低い音が、ささやき声のように弱くならないこと
- 決めたキーで楽譜(移調した伴奏)を用意する。コード進行は添付楽譜を尊重すること(要項)
※ギターで受ける人は、カポタストの位置でキーを合わせられます(要項でカポタスト可)。
子どもに届く声の3つの基準
- 大きさ:ピアノより「半歩前」。録音して、ピアノに声が埋もれていないかを聴く
- 明るさ:口角を少し上げ、目の前の子の顔を見るつもりで歌う(下を向くと声も落ちます)
- 言葉:「あかりをつけましょ」の「あ」「か」「り」のように母音をはっきり。語尾を消さずに最後まで届ける
2曲それぞれで気をつける所
- 『うれしいひなまつり』:しっとりした短調の曲。暗く沈みすぎず、語りかけるように。フレーズの終わりの音を短く切らず、息を残して言い切る
- 『山の音楽家』:明るく弾むリズムの曲。動物の名前や楽器の音のまね(くり返しの部分)で、言葉がもたつきやすい。歌だけで手拍子しながらリズムを固めてから、伴奏と合わせる
何番まで歌うかは、要項の添付楽譜で確かめてください。
4. 本番までの4週間の練習表(1日15分)
- 1週目:キーを決める。2曲を「歌だけ」で、録音して聴く。音程が揺れる小節に印をつける
- 2週目:印の小節を、歌だけで1日5回。母音だけ(「あ」で)歌ってから歌詞に戻す
- 3週目:伴奏と合わせる。難しい小節はベース音1つの伴奏で歌い、慣れたら楽譜どおりに
- 4週目(12/6〜12/12):本番の通し。1日1回、立って入室〜礼〜弾き歌いまでを録画。前日は喉を休める(本番の前日と当日の準備)
※練習の目安です。録音して「声が消える小節」が無くなっていれば、次の週に進んでください。
5. 本番の日に「歌」を守る3つのこと
- 入室前:小さな声で「うー」と上下に3往復(ハミングでもよい)。いきなり歌い出すと最初のフレーズの音程が下がりやすい
- 座ったら:椅子の高さを合わせたあと、一度だけ鼻から吸って口からゆっくり吐く。肩が上がったまま歌い出さない
- 歌い出し:前奏の最後の1拍で息を吸う。前奏を足すかどうかは任意(要項)なので、短い前奏を入れると吸う時間が作れる
緊張で声が震える人は緊張と声の記事も読んでおいてください。
よくある質問
- Q. 歌が下手でも保育士試験の弾き歌いは受かりますか?
-
A. 求められているのは幼児に歌って聴かせる歌で、歌手のような上手さではありません。声が子どもに届き、音程とリズムが崩れず、言葉が聞き取れることが大切です。合格基準は50点満点で6割(30点)以上です。
- Q. キーを下げてもいいですか?
-
A. はい。要項に移調してもよいと書かれています。ただしコード進行は添付楽譜を尊重してください。下げすぎると明るさが消えるので、1〜3半音を目安に楽に出る高さを探してください。
- Q. ピアノと歌、どちらを先に練習すべきですか?
-
A. 並行して大丈夫ですが、歌は歌だけで先に音程を固めておくと、合わせたときに崩れにくくなります。
- Q. 声が小さいと言われます。どうすればいいですか?
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A. 大声を出すより、目の前の子に話しかける声の太さで歌うことです。録音してピアノに声が埋もれる小節を探し、その小節だけ伴奏を減らして歌う練習が効きます。
- Q. ギターで受けても歌の対策は同じですか?
-
A. 同じです。ギターはカポタストでキーを合わせられるので、キーの決め方がそのまま使えます。
- Q. オンラインのボイトレで弾き歌いの歌は直せますか?
-
A. ATOのレッスンはオンラインです。画面越しに歌を聴き、キーの高さ、声の大きさ、音程が揺れる小節を一緒に確かめます。伴奏そのものの指導はしていません。
- Q. 保育士さん・保育士を目指す人でも、ボイトレの体験を受けられますか?
-
A. はい。ATOでは、保育士・幼稚園教諭を目指す方や現役の保育士さんの、弾き歌いの歌のレッスンも行っています。オンライン25分の無料体験で、課題曲の一部を歌っていただき、楽に出せるキーと声の出し方をその場でお伝えします。伴奏の指導は行っていません。
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体験レッスンのご案内
12月13日までに、「歌」だけでも先に整えませんか。ATOボーカルスクールの無料体験(オンライン25分)では、課題曲の一部を歌っていただき、あなたが楽に出せるキーの高さ、声がピアノに埋もれる小節と直し方、音程が揺れる音の出し方をその場でお伝えします。体験の流れは無料体験の記事に書いています。
レッスンはオンラインで受けられます。料金:月2回11,000円・月4回16,500円(入会金5,500円は、無料体験の当日のご入会で0円)。
※ATOは歌(声)のレッスンです。ピアノ・ギターの伴奏の指導は行っていません。
