ボカロ曲の歌い方|高い・速い・息が続かないを人の声で歌える5つの練習

結論:ボカロ曲は、次の順で「人の声用」に組み直すと歌えるようになります。

  1. キー:原曲キーにこだわらず、サビの最高音が楽に出る高さまで下げる
  2. 高音:張り上げず、地声と裏声を混ぜた軽い声(ミックスボイス)で当てる
  3. 速さ:歌詞を「母音だけ」で歌ってリズムを先に体に入れる
  4. 息:吸う場所を自分で決めて、歌詞カードに印をつける
  5. 声色:機械っぽさを真似るより、言葉の頭をはっきり出す

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ボカロ曲が歌えないのは、あなたの喉が弱いからではありません。ボーカロイドは息をしないし、喉も疲れません。だからボカロ曲には、人なら息を吸う場所が無かったり、言葉が1拍に何文字も詰まっていたり、高い音が何小節も続いたりします。

こんにちは、たーなー先生(田中直人)です。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導し、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王の指導もしてきました。ボカロ曲を歌えるようになる人は「全部を原曲どおりに」ではなく、「人が歌える形に設計し直す」ことから始めています。この記事では、その設計の仕方と5つの練習をまとめます。

1. ボカロ曲が人に歌いにくい3つの理由

ボカロと人の声、ここが違うボーカロイド・息をしない・喉が疲れない・言葉の速さに限界なし人の声・息継ぎが要る・高音が続くと喉が締まる・舌と唇が追いつかないだから「キー・息の場所・練習の順」を人用に組み直す
  • 息をしない:ボーカロイドは息継ぎが要らないので、フレーズの間に休符が無い曲が多い
  • 喉が疲れない:高い音を長く、何度でも出せる。人は同じ高さを続けるほど喉が締まる
  • 言葉の速さに限界が無い:1拍に4文字、5文字と詰め込める。人は舌と唇が追いつかない

つまり「歌えない」のは技術不足だけではなく、そもそも人に向けて作られていない部分があるからです。だから、人の体に合わせて組み直してよいのです。

2. 人の声で歌える5つの練習

練習1:キーを決める(5分)

サビの一番高い所だけを、原曲キーから1半音ずつ下げて歌い、「喉が締まらず、言葉が聞き取れる」高さを探します。カラオケならキー変更で、半音単位で合わせられます(キーの決め方)。原曲キーで歌えることより、最後まで声が崩れないことの方が聴く人には伝わります。

練習2:高音は「張らずに当てる」

ボカロ曲の高音を地声で張り上げると、3曲目には声がかれます。高い音ほど口を縦に、声を軽くして、地声と裏声を混ぜた声で「当てる」感覚を作ります。まずは「ネイ、ネイ、ネイ」と軽く上がっていく音階で、喉が上がらない高さを確かめてください。ミックスボイスの作り方はミックスボイスの記事に詳しく書いています。

練習3:速い所は「母音だけ」で歌う

早口の所は、いきなり歌詞で歌うと舌がもつれます。

  1. 歌詞を母音だけにして歌う(例:「あいういえ」のように)
  2. リズムが体に入ったら、子音を足して歌詞に戻す
  3. テンポを落とした音源(再生速度0.75倍など)で合わせ、慣れたら元の速さへ

言葉の頭の子音をはっきりさせるコツは滑舌の記事も参考に。

練習4:息を吸う場所を「自分で決める」

休符が無い曲は、歌詞の中で「言葉の意味の切れ目」を探し、そこで短く吸うと決めます。歌詞カードに「V」の印をつけ、印の直前の音は少し短めに切って、吸う時間を作ります。全部を歌い切ろうとせず、聴く人が気にならない所で小さく吸うのがコツです。息継ぎの基本は息継ぎのタイミングの記事に。

歌詞カードに「息の地図」を書く(1行目の歌詞)V(2行目の歌詞)↑(早口の所)母音で練習V=ここで短く吸う(直前の音は少し短く)↑=高い所。張らずに軽く当てる 枠=母音だけで先に練習

練習5:声色は「機械の真似」より「言葉の頭」

ボカロの硬い声を真似しようとして、喉を固めてしまう人がいます。人が歌って気持ちよく聴こえるのは、言葉の頭がはっきりして、語尾が自然に抜けている歌です。録音して、歌詞を見なくても言葉が聞き取れるかを確かめてください。

【たーなー先生の現場から】若い生徒さんがボカロ曲を持ってくると、まず一緒に歌詞カードに息の印をつけます。原曲どおりに全部歌おうとすると、どこかで必ず苦しくなる。人の体で歌うための地図を先に作ると、同じ曲が見違えるほど楽に歌えるようになります。

3. 1日15分の練習の順番

  1. 3分:軽いハミングとリップロールで声を起こす
  2. 4分:練習2(ネイの音階)で高音の通り道を作る
  3. 4分:練習3(母音だけ)で速い所を1か所
  4. 4分:決めたキーで1コーラス通し、録音して息の印どおりに吸えたか確認

1曲を一度に全部直そうとせず、1日1か所ずつ地図を書き足していくのがおすすめです。上達の早さには個人差があります。

4. 「歌ってみた」で録音する人へ

ボカロ曲を歌って投稿したい人は、録音のときの歌い方(マイクとの距離、強弱の幅、ミックスで直せること・直せないこと)を別の記事にまとめています → 歌ってみたの歌い方

よくある質問

Q. ボカロ曲は原曲キーで歌わないとダメですか?

A. いいえ。ボカロ曲は人の音域を考えずに作られている曲も多いので、キーを下げて歌うのは自然なことです。最後まで声が崩れず言葉が届く方が、聴く人には伝わります。

Q. ボカロ曲の高音が出ません。どうすればいいですか?

A. 張り上げず、地声と裏声を混ぜた軽い声で当てる練習をします。ネイの音階で喉が上がらない高さを確かめ、少しずつ広げてください。

Q. 速いボカロ曲で舌が回りません。

A. 歌詞を母音だけにして歌い、リズムを先に体に入れてから子音を足します。再生速度を落とした音源で練習し、慣れたら元の速さに戻します。

Q. 息継ぎの場所がありません。

A. 歌詞の意味の切れ目に印をつけ、そこで短く吸うと決めます。印の直前の音を少し短く切ると、吸う時間が作れます。

Q. ボカロっぽい声を出したほうがいいですか?

A. 機械の声を真似して喉を固めるより、言葉の頭をはっきり出す方が、人の歌として気持ちよく聴こえます。

Q. オンラインのボイトレでボカロ曲を練習できますか?

A. できます。ATOのレッスンはオンラインです。歌いたい曲を画面越しに歌っていただき、キーの高さ、高音の出し方、息を吸う場所を一緒に確かめます。

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