こんにちは、たーなー先生こと田中直人です。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王をはじめ、30年間で5万人以上のボイストレーニング(ボイトレ)をしてきました。
カラオケのこぶしとは、メロディの途中で音を一瞬だけ上下に動かして、歌に味わいを足す飾りの歌い方です。演歌や民謡のものと思われがちですが、ポップスでも使われていて、コツをつかめば初心者でも入れられます。DAMやJOYSOUNDの採点でも、こぶしは技術の一つとして扱われています。
こぶしとは
楽譜には書かれていない、ごく短い音の上下を、旋律の中に入れる装飾のこと。カラオケDAMの公式サイトでは「基本となる旋律のなかで音を細かく動かす装飾的な節回し」、JOYSOUNDの公式サイトでは「歌の途中で瞬間的に上下振幅される歌唱技法」と説明されています。
こぶしとビブラート・しゃくりの違い
こぶしと混ざりやすい技術を、並べて整理します。
| 技術 | 音の動き | 主に入る場所 |
|---|---|---|
| こぶし | 一瞬だけ上下にくるっと回す | フレーズの途中 |
| ビブラート | 一定の揺れを続ける | 伸ばす音(ロングトーン) |
| しゃくり | 低い音から本来の高さへずり上げる | 音の出だし |
| フォール | 本来の高さから低い音へずり下げる | フレーズの終わり |
こぶしは「一瞬」、ビブラートは「続く揺れ」と覚えると分かりやすいです。
カラオケ採点でのこぶし
DAMの精密採点DX-Gでは、こぶしはしゃくり・フォールとともに「表現力」の項目にまとめられています。JOYSOUNDの分析採点AI+/AIでは、こぶし・しゃくり・ビブラートの3つが「テクニック」として採点されます。
ただし、入れれば入れるほど良いわけではありません。音を長く動かしすぎると、メロディとは違う音に聞こえてしまいます。点数全体の考え方はカラオケ高得点とは、上手いのに点数が低い理由も参考にしてください。
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カラオケで簡単に歌えるこぶしの出し方
お手本の動画
ポップスの中で、こぶしがどう入っているかを、まず耳で聴いてください。同じ箇所を何度か聴き返すと、一瞬の上下が分かりやすくなります。
コツ1:子音と母音を分ける
一つの音を「子音」と「母音」に分けたり、母音を2回くり返すように歌ったりすると、こぶしになります。たとえば「か」を「k-a-a」のように、母音の中で一度だけ音を動かします。
コツ2:メロディと思われない一瞬で動かす
上下させる時間は、ほんの一瞬です。長く動かすと、メロディとは別の音を歌っているように聞こえてしまいます。
コツ3:経過音で入れる
メロディの音から次の音へ移るあいだ(経過音)に飾りとして入れると、初心者でも入れやすいです。
こぶしの2つのタイプ
- 音程タイプ:半音〜全音くらい、すばやく上下させる。
- 声の切り替えタイプ:地声と裏声を一瞬で切り替える。裏声に不安がある方は裏声とはから練習してください。
どちらも、息の支え、上半身の脱力、声帯まわりの柔らかさがあると安定します。
ジャンル別のこぶしの入れ方
ポップス
小さく、短く入れるのが基本です。サビの決め所や、フレーズの入り口に一つだけ入れると、さりげなく聞こえます。入れすぎると演歌のような印象になるので、曲の雰囲気に合わせて量を決めます。
民謡
一つの言葉の母音を長く伸ばしながら、その中で何度も音を回すことが多いジャンルです。息を長く保つ力が必要なので、ロングトーンの練習とあわせて取り組みます。
演歌
言葉の頭や語尾に、はっきりと聞こえるこぶしを入れることが多いジャンルです。動きは大きめでも、音程の芯がぶれないことが大切です。地声と裏声の切り替えタイプも、よく使われます。
こぶしの練習手順
- 聴く:お手本の曲で、こぶしが入っている場所に印をつけます。
- まねる:その一か所だけを、ゆっくり何度もまねします。
- 録音する:自分の声を録音して、お手本と聴き比べます。
- 速さを戻す:ゆっくりで入れられたら、原曲の速さで歌います。
- 採点で確かめる:カラオケの採点で、こぶしが検出されているか見ます。
よくある失敗
- 全部の音に入れる:飾りは少ない方が引き立ちます。まずは1曲に数か所から。
- 動きが大きすぎる:音程がずれて聞こえます。「一瞬・小さく」が基本です。
- のどで押す:力で音を動かすと、声が固くなります。肩と首をゆるめてから練習します。
- 耳だけで判断する:自分の耳では入っているつもりでも、録音では聞こえないことがあります。
よくある質問
Q. こぶしは演歌だけの技術ですか。 A. いいえ。演歌・民謡で目立ちますが、ポップスでも使われています。ポップスでは、小さく短く入れると自然です。
Q. こぶしとビブラートは同時に使えますか。 A. 使えます。こぶしはフレーズの途中、ビブラートは伸ばす音の最後、と場所を分けると整理しやすいです。
Q. こぶしが採点で検出されません。 A. 動きが小さすぎたり、ゆっくりすぎたりすると、一瞬の上下として聞こえにくくなります。録音して、上下がはっきり聞こえるか確かめてください。
Q. 練習でのどが疲れます。 A. 同じ箇所をくり返しすぎないよう、休みを入れてください。痛みが続く場合は、練習を止めて耳鼻咽喉科で相談してください。
まとめ
カラオケのこぶしとは、メロディの途中で音を一瞬だけ上下させる飾りの歌い方です。子音と母音を分ける、一瞬で動かす、経過音で入れる、の3つを意識し、お手本をまねして録音で確かめてください。毎日の練習には、無料アプリ毎日ボイトレも使えます。
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執筆:田中直人(たーなー先生)|ATOボーカルスクール代表 プロフィール

