人前で話すと声が震える。自己紹介、会議の発言、プレゼン、結婚式のスピーチ。こうした場面で声が揺れてしまうのは、性格や気の弱さのせいではありません。この記事では、震えの原因と、本番前5分でできる3つのステップ、毎日3分の練習をまとめます。
結論:声の震えは「息が浅いまま、喉で声を支えている」ことが原因です
緊張すると呼吸が浅く速くなります。息の支えが足りなくなると、体は喉の筋肉で声を支えようとします。喉は細かい動きが得意な場所なので、力が入ると小刻みに揺れやすくなります。これが「声の震え」の正体です。
つまり、震えを止めるには「気持ちを落ち着ける」より先に、「息の支えを取り戻す」ほうが早いのです。
私は約30年、延べ5万人以上の声を見てきました。テレビの歌番組で優勝する歌い手も、警察官や病院のスタッフ、上場企業の社長・幹部の方も、本番前に緊張するのは同じです。違いは、緊張したときの「戻し方」を知っているかどうかです。
本番前5分でできる3ステップ
ステップ1:長く吐いてから吸う(1分)
- 口を細くして「ふーーー」と8秒かけて吐き切る
- 吐き切ったら、力を抜くだけで鼻から自然に息が入るのを待つ
- これを3回。先に吐くのがポイントです。緊張しているときに「深く吸おう」とすると、肩が上がってかえって浅くなります
ステップ2:ハミングで喉の力を抜く(1分)
- 口を閉じて「ん〜」と、楽に出せる高さでハミングする
- 唇や鼻のまわりが振動するのを感じる
- 喉ではなく「顔の前」で声が鳴っている感覚をつくります
ステップ3:最初の一文だけ、ゆっくり声に出す(3分)
- 本番の最初の一文(例:「本日はお時間をいただきありがとうございます」)を、普段の7割の速さで3回言う
- 語尾まで息を残して言い切る
- 最初の一文が安定すると、そのあとは落ち着きやすくなります。震えは「出だし」でいちばん起きやすいからです
根本から震えにくくする練習(毎日3分)
本番前の対処だけでなく、普段から「息で声を支える」体をつくっておくと、震えは少しずつ減っていきます。
- ロングトーン:「あー」を楽な高さで、まっすぐ10秒伸ばす。揺れずに伸ばせたら12秒、15秒と延ばす
- 数を数える:一息で「1、2、3…」とはっきり数え、どこまで声が揺れずに行けるかを毎日記録する
- 録音して聞く:スマホで自分の声を録音し、震えている場所(出だし・語尾・息継ぎの後)をメモする
声がこもって聞き取りにくいと感じる方は、声がこもる原因と直し方もあわせてどうぞ。
やってはいけないこと
- 本番直前に大きな声を何度も出す(喉が疲れて、かえって揺れやすくなります)
- 「震えないように」と喉に力を入れて押さえ込む
- 冷たい飲み物を一気に飲む(常温の水を少しずつがおすすめです)
よくある質問
- Q. 声の震えは治りますか?
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A. 緊張による震えの多くは、息の使い方を身につけることで大きく減らせます。ATOでも、話し声の震えの相談は多いテーマです。
- Q. 普段は震えないのに、大事な場面だけ震えます。
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A. それがいちばん多いケースです。本番前の3ステップと、毎日のロングトーンを組み合わせてください。
- Q. 緊張しない方法はありますか?
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A. 緊張をゼロにする必要はありません。緊張していても声が揺れない状態をつくるのが、ボイトレの考え方です。
- Q. ふだんから声が震える、だんだん悪くなっている場合は?
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A. 緊張とは別の原因も考えられますので、耳鼻咽喉科などの医療機関にご相談ください。
自分の震えの「出どころ」を知ると、もっと早く変わります
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