結論:歌のテストで声が出なくなるのは、「緊張で息が浅くなる → のどに力が入る → 声が小さく震える」という順番で起きることがほとんどです。だから直すのは声より先に「息」です。
- 1週間前から:伴奏を聞いて、毎日1回「本番と同じ立ち方」で通して歌う
- 前日:新しい練習はしない。歌い出しの2小節だけを確かめる
- 本番:歌う前に4秒吸って8秒で吐く、を2回。最初の1音は「少し大きすぎる」くらいで出す
上手に歌うことより、「最後まで止まらずに歌い切る」ことを目標にすると、声は出やすくなります。声の出し方を一度プロと確かめたい方は、無料体験(オンライン25分)へ。
こんにちは、たーなー先生(田中直人)です。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導し、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王の指導もしてきました。劇団四季・宝塚に進んだ方や現役の方の指導経験もあります。
1. なぜ歌のテストだと声が出なくなるのか
家では歌えるのに、テストになると声が出ない。これは気持ちの弱さではなく、体の自然な反応です。
緊張すると、体は「身を守る」状態になり、呼吸が浅く速くなります。息が足りないまま声を出そうとすると、のど(首の前の筋肉)で声を押し出そうとして力が入り、声が細く・小さく・震える声になります。さらに「声が出ていない」と気づくと、もっと緊張する、という悪い流れに入ります。
歌のテストには、ふだんのカラオケや合唱には無い、緊張しやすい条件がそろっています。
- 一人で歌う(合唱のように、まわりの声に隠れられない)
- 先生と同級生が聞いている(知っている人の前の方が緊張する人は多い)
- 点数がつく
- 順番を待つ時間がある(待っている間に緊張が大きくなる)
切る場所はいちばん最初の「息」です。のどや声を直そうとするより、息を整える方がずっと早く効きます。
2. 1週間前からの準備(毎日10分)
テストの前の1週間でできることは、意外と多くありません。でも、やることを絞れば十分に変わります。私がレッスンで本番の前の生徒さんにすすめている順番を、学校のテスト向けにまとめました。
7日前〜3日前:伴奏に合わせて「通しで1回」
- 授業で使う伴奏(先生が配った音源やピアノの録音など)があれば、それに合わせて歌います。無ければ、教科書の曲の伴奏の音源を使います
- 毎日1回は、本番と同じように「立って・止まらずに・最後まで」歌います。間違えても止まらないのが練習のいちばんの目的です
- スマホで録音して、1回だけ聞きます。直すのは「声が小さくなる場所」1か所だけで十分です
2日前〜前日:新しいことはしない
- 前日に新しい練習を始めると、かえって不安が増えます
- 確かめるのは「歌い出しの2小節」と「いちばん高い所」の2か所だけ
- 歌詞が不安なら、紙に書き出して1回読むだけにします(歌詞の覚え方も参考に)
当日の朝:声を起こす3分
- あくびをするように口を大きく開けて、ゆっくり息を吐く(2回)
- 唇をぶるぶる震わせる「リップロール」を、低い音から高い音へ2往復
- 歌い出しの1フレーズを、小さな声で1回
くわしい準備運動はウォーミングアップの記事にまとめています。
3. 本番で声を出す5つのコツ
コツ1:待っている間に「4秒吸って8秒吐く」を2回
順番を待つ間に、鼻から4秒吸って、口から8秒かけて細く吐きます。吐く時間を長くすると、体は落ち着く方向に向かいます。周りに気づかれずにできます。
コツ2:立ち方は「かかとに体重・ひざをゆるめる」
緊張するとひざがピンと伸び、肩が上がります。かかとに体重を乗せて、ひざを少しだけゆるめると、お腹から息が入りやすくなります。くわしくは歌う姿勢の記事へ。
コツ3:最初の1音は「少し大きすぎる」くらいで
歌い出しが小さいと、そのまま最後まで小さくなります。逆に最初の1音がしっかり出ると、体が「出せる」と分かって後が楽になります。自分では大きすぎると思うくらいで、聞いている人にはちょうどよく聞こえます。
コツ4:目線は「教室のいちばん後ろの壁」
同級生の顔を見ると緊張が強くなります。いちばん後ろの壁の、少し上あたりを見て歌うと、声も前に飛びやすくなります。
コツ5:間違えても止まらない
歌詞や音を間違えても、止まらずに続けるのがいちばん大切です。止まって歌い直すと、緊張がもう一段上がります。「最後まで歌い切る」を目標にしてください。
4. 声が震える・高い所が出ないとき
- 声が震える:震えは「息が足りない」合図です。フレーズの前でしっかり吸い直すこと、伸ばす音で息を少しずつ使うことを意識します。くわしくは声が震えるときの記事へ
- 高い所が出ない:高い音の手前で口を縦に開け、のどではなく息で上げるイメージにします。音程を安定させるコツは音程を安定させる記事に
- 声変わりの途中の男子:無理に高い音を出さないでください。オクターブ下で歌ってよいか、事前に先生に相談するのが安心です。声変わりの時期の歌い方は声変わり中の歌の練習にまとめています
【たーなー先生の現場から】本番に強い人と弱い人の違いは、才能より「止まらない練習をしたかどうか」です。テレビのカラオケバトルのような大きな本番に出る生徒さんにも、私はまず「本番と同じ形で、止まらずに通す練習」をしてもらいます。家で何度もきれいに歌えるより、1回でも「最後まで歌い切った」経験がある方が、本番で声が出ます。
5. 保護者の方へ
お子さまが「歌のテストがいやだ」と言うとき、多くは歌が苦手なのではなく、人前で声を出すことに慣れていないだけです。家で「1回だけ通して聞かせて」とお願いし、最後まで歌えたらそれだけをほめてあげてください。直すところを言うのは、テストが終わってからで十分です。
続けて声のことを相談したい場合は、ATOボーカルスクールのオンラインの無料体験(25分)をご利用ください。お子さまの声の出し方を見て、家でできる練習を一緒に決めます(子どものボイトレについてもご覧ください)。
よくある質問
- Q. 歌のテストで緊張しない方法はありますか?
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A. 緊張をゼロにするのは難しいですが、声への影響は小さくできます。順番を待つ間に「鼻から4秒吸って、口から8秒で吐く」を2回すると、浅くなった息が整い、のどの力が抜けやすくなります。
- Q. 声が小さいと言われます。テストまでに大きくできますか?
-
A. 1週間で声そのものを大きくするのは難しいですが、「最初の1音を少し大きすぎるくらいで出す」「目線を教室のいちばん後ろの壁に向ける」だけで、聞こえ方はかなり変わります。
- Q. 前日にたくさん練習した方がいいですか?
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A. おすすめしません。前日は新しい練習をせず、歌い出しの2小節といちばん高い所の2か所だけを確かめてください。のどを疲れさせない方が、当日の声は出ます。
- Q. 途中で歌詞を間違えたらどうすればいいですか?
-
A. 止まらずに続けてください。歌い直すと緊張が一段上がります。多くの場合、最後まで止まらずに歌い切ることの方が大切にされます(評価の仕方は学校や先生によって違うので、気になる場合は事前に確かめてください)。
- Q. 声変わり中で高い音が出ません。
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A. 無理に高い音を出すと、のどを痛めるおそれがあります。オクターブ下で歌ってよいかを、事前に音楽の先生に相談してください。声の調子がおかしい状態が長く続く場合は、耳鼻咽喉科で相談すると安心です。
- Q. 歌のテストのためにボイトレを受けても大丈夫ですか?
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A. 大丈夫です。ATOボーカルスクールはオンラインの個人レッスンで、無料体験(25分)では今の声の出し方を見て、本番までの練習を一緒に決めます。保護者の方からのお申込みも受け付けています。
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