こんにちは、たーなー先生こと田中直人です。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王をはじめ、30年間で5万人以上のボイストレーニング(ボイトレ)をしてきました。
音域は、高い音を無理に出して広げるより、①今出せる一番下と一番上を確かめ、②地声と裏声のつなぎ目をなめらかにし、③息と体の準備をしてからサイレン発声で上下に広げる、という順番で練習すると広がりやすくなります。
- 音域が狭いと感じる主な原因は「喉の力み」「息の使い方」「地声と裏声のつなぎ目」の3つ。原因によって最初の練習が変わります(下の見分け表)。
- 練習は「ストレッチ → ブレス → サイレン発声」の順。毎日続けて、つなぎ目がなめらかになってから上の音へ伸ばします。
- 体の筋トレだけでは音域は広がりません。声を出す練習と組み合わせることが大切です。
▶ 狭い原因の見分け表へ ▶ 自分の音域が狭い原因が分からない方は 25分の体験
音域とは
声で出せる、いちばん低い音からいちばん高い音までの幅のこと。「声域」とも呼ばれます。高い音は地声(胸声)だけでなく、裏声(頭声・ファルセット)や、その間をつなぐミックスボイスも使って出します(声区については出典:Wikipedia「声区」)。音域を広げるとは、これらの声をなめらかにつなげて、楽に使える幅を増やすことです。
まず自分の音域を確かめる
男性・女性それぞれの平均の音域は「男性の音域の平均」と「女性の音域の平均」に、高い音のくわしい出し方は「高い声の出し方」にまとめています。この記事では、自分の音域を「どの順番で」広げるかを扱います。
練習の前に、今の音域を知っておくと変化に気づきやすくなります。
- ピアノやキーボードのアプリで、楽に出せる「あー」の高さを探します。
- そこから1音ずつ下げ、無理なく出せるいちばん低い音をメモします。
- 同じように1音ずつ上げ、地声で出せる高さ、裏声で出せる高さをメモします。
苦しい音まで無理に出す必要はありません。男女の平均的な音域や確かめ方は、男性の音域・女性の音域で詳しく説明しています。
自分の音域を、プロの耳で一緒に確かめたい方へ。無料体験レッスンでは、あなたの声を聴いて、今の音域と、どこから広げるとよいかをお伝えします。 体験を申し込む
音域が狭いのはなぜ?3つの原因の見分け方
「高い音がすぐ苦しくなる」「低い音がスカスカになる」「途中で声がひっくり返る」。音域が狭いと感じるときの主な原因は、次の3つのどれか、またはその重なりです。自分がどれに近いかで、最初にやる練習が変わります。
| 原因 | こんなことが起きる | 最初にやる練習 |
|---|---|---|
| A 喉の力み | 高い音になるほど首やあごに力が入る。苦しい、声が細くなる、すぐ疲れる | ステップ1のストレッチと、小さめの声でのサイレン発声 |
| B 息の使い方 | 低い音も高い音も、のばすと途中で息が足りなくなる。声が揺れる、かすれる | ステップ2のブレス(吐く息を一定にする) |
| C 地声と裏声のつなぎ目 | ある高さで急に声がひっくり返る、または裏声に切り替えられずに張り上げる | ステップ3のサイレン発声を、ひっくり返る高さの前後だけゆっくり |
どれか分からない、2つ以上当てはまる、という方もいます。スマートフォンで「あー」と下から上までゆっくり上がる声を録音して聴き返すと、苦しくなる所・ひっくり返る所が見つけやすくなります(録音のしかた)。それでも分からないときは、講師が聴いて見分けます(下の無料体験)。
音域を広げる練習3ステップ
ステップ1:身体を楽器にするストレッチ

声は体全体で響きます。体が固いままだと、のどにも力が入りやすくなります。どの動きも、息を止めずにゆっくり大きく行います。
- 肩甲骨をほぐす:クロールのように、腕を前に大きくゆっくり回します。
- 胸を開く:背泳ぎのように、腕を後ろに大きくゆっくり回します。
- 首をゆるめる:頭を左右の斜め前にやさしく倒したあと、ゆっくり1周ずつ回します。
- 脱力した前屈:上半身の力を抜いて前に倒れ、肩甲骨のあいだに息が入るのを感じます。慣れたら、この姿勢でハミングやリップロールをしても構いません。
ステップ2:ブレス

- まず息をすべて吐き切ります。
- 鼻7割・口3割くらいの割合で、背中と下半身の方へゆっくり吸います。
- 腰→背中→肩甲骨→肩→首→顔→目→頭のてっぺんの順に、息が満ちていくイメージを持ちます。
- いっぱいになったら、さらに押し込むつもりで3秒キープします。
- 口を開けて「ホッ」と、ひと息で全部吐きます。
これをゆっくり6回くり返します。
ステップ3:サイレン発声

- 息を吸い、上半身の力を抜いて、あくびをするときのようにのどを開きます。
- 「ファー」と、サイレンのように、いちばん低い音からいちばん高い音までなめらかに上げます。
- そのまま、いちばん低い音まで下ろします。
- 「フェー」「フィー」「フォー」「フゥー」と母音を変えて、同じように行います。
途中で声がひっくり返る場所が、地声と裏声の切り替わりです。そこをなめらかにつなぐことを目指します。出しにくい母音は、楽な範囲で回数を増やしてください。
毎日の練習の流れ
毎日の練習そのものは、下の「ストレッチ → ブレス → サイレン発声 → 3曲歌う」のままです。1週目から上の音を追いかけると、つなぎ目で力んだまま声を押し上げるくせがつきやすいので、上へ伸ばすのは最後にします。
- ストレッチで体をゆるめる
- ブレスで息を整える
- サイレン発声で低い音から高い音までつなぐ
- 好きな曲を3曲ほど歌う
歌うときは、サイレン発声でなめらかにつながった感覚を思い出しながら歌います。ときどき自分の歌を録音して聴き返すと、高い音や低い音が楽に出るようになったかどうかを確かめやすくなります。練習は長さよりも、毎日続けることを大切にしてください。
筋トレで音域は広がる?
腹筋や背筋などの体の筋トレだけで、音域が広がることはありません。音の高さを決めるのは喉の中の声帯の使い方で、これは声を出す練習でしか身につかないからです。ただ、姿勢を保つ力や、息を長く一定に吐く力は、声の練習の土台になります。体を動かす習慣がある方は、その後にこの記事の3ステップを続けると、体がほぐれた状態で声を出せます。息の土台づくりには「ペットボトルを使った呼吸の練習」や「腹式呼吸」も使えます。
男性・女性で広げ方は違う?
練習の順番は男女で同じです。違いが出やすいのは「どこで困るか」で、男性は地声のまま高い音を張り上げてしまう、女性は低い音がスカスカになったり、地声から裏声に早く切り替わりすぎたりする、という困り方が出やすくなります。平均の音域と比べたい方は男性の音域・女性の音域を、歌いやすい曲を探したい方は「音域が狭い曲」をご覧ください。
よくある失敗
- 高い音ばかり練習する:低い音から高い音まで、全体をつなげる練習が大切です。低い音の練習は低音を出す方法も参考にしてください。
- 準備なしで声を出す:体と息が固いままでは、のどに力が入ります。ストレッチとブレスを先に行います。
- 地声だけで押し上げる:あごが上がり、声が苦しくなります。高い音は裏声やミックスボイスも使います。
- 声がかれても続ける:かすれたら、その日はやめて休みます。
よくある質問
- Q. 音域を広げる一番の方法は何ですか?
A. 高い音を無理に出すより、喉の力を抜き、息を整え、サイレン発声で下から上までなめらかにつなぐ練習を毎日続けることです。先に「なぜ狭いのか」を見分けると、やるべき練習がはっきりします。
- Q. 音域が狭いのはなぜですか?
A. 主な原因は「喉の力み」「息の使い方」「地声と裏声のつなぎ目」のどれか、または重なりです。高い音で首やあごに力が入る、のばすと息が足りない、ある高さで声がひっくり返る、のどれに近いかで見分けます。
- Q. 音域はどのくらいで広がりますか?
A. 声の状態や練習の量によって、人それぞれです。最初に音域をメモしておき、ときどき同じ方法で確かめると変化に気づきやすくなります。この記事の4週間は、練習の順番の目安です。
- Q. 地声の音域は広げられますか?
A. 広げられます。ただ、地声のまま押し上げると喉を痛めやすいので、地声と裏声のつなぎ目をなめらかにしてから、少しずつ上を伸ばします。
- Q. 低い音も広げられますか?
A. はい。サイレン発声で、いちばん低い音までしっかり下ろすことを続けてください。
- Q. 筋トレをすると音域は広がりますか?
A. 体の筋トレだけでは広がりません。姿勢や息の土台にはなるので、声を出す練習と組み合わせてください。
- Q. カラオケの前にもやった方がよいですか?
A. はい。ストレッチとブレスだけでも、歌い出しが楽になりやすくなります。音域が狭いうちは、音域が狭くても歌いやすい曲(https://www.atono.co.jp/blog/karaoke-easy-song/)から選ぶのもおすすめです。
- Q. 練習中にのどが痛くなります。
A. すぐに練習を止めて休んでください。痛みやかすれが続く場合は、耳鼻咽喉科で相談してください。
- Q. 自分の音域の狭さの原因が分かりません。
A. 下から上へゆっくり上がる声を録音して、苦しくなる所とひっくり返る所を探すと手がかりになります。分からないときは、無料体験で講師が原因を見分けます。
まとめ
音域を広げる方法は、ストレッチ、ブレス、サイレン発声の3ステップです。毎日この順番で練習し、最後に3曲ほど歌ってみてください。毎日の練習には、無料アプリ毎日ボイトレも使えます。

オンラインボイトレを25分の体験で試してみませんか?
音域は、地声と裏声のつなぎ目を「感覚」でつかむことで広がっていきます。無料体験レッスンでは、あなたの声を聴いて、今の音域と、次にやる練習を具体的にお伝えします。オンラインでも受けられます。
音域が狭い原因が、喉の力みなのか、息なのか、つなぎ目なのか。自分では分かりにくいところですが、原因が分かれば、やる練習が絞れます。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導し、劇団四季・宝塚に進んだ方や現役で活動する方の指導経験もあるたーなー先生が、25分の無料体験(オンライン・Zoom)で、あなたの音域の今の状態と、最初にやる練習をお伝えします。月4回16,500円(税込)、体験当日に入会すると入会金5,500円が0円です。
自分の音域を見てもらう(25分の体験)執筆:田中直人(たーなー先生)|ATOボーカルスクール代表 プロフィール


