60代からのボイトレ|「声が出にくくなった」と感じたら始めたい、毎日5分の声の習慣

ボイストレーニング

60代になって「声がかすれる」「家族に聞き返される」「カラオケで息が続かない」と感じることはありませんか。この記事では、その変化の理由と、今日から始められる毎日5分の声の習慣をお伝えします。

結論:60代からでも声は変わります。カギは「毎日少しでも、声を使うこと」です

年齢とともに声が変わるのは自然なことです。ただ、私がボイストレーナーとして約30年、延べ5万人以上の声を見てきた中で感じるのは、声の変化には年齢だけでなく「声を使う量が減ったこと」も大きく関わっているということです。退職して人と話す機会が減った、歌う機会がなくなった。使わない声は、出しにくくなります。

逆に言えば、正しい方向で毎日少しずつ使えば、声は出しやすくなります。始めるのに遅すぎるということはありません。

※声のかすれや痛みが長く続く場合、急に声が出なくなった場合は、まず耳鼻咽喉科を受診してください。ボイトレは病気の治療ではありません。

まずはチェック:あなたの声の変化はどれ?

  • A. 声がかすれる、息がもれるような声になった → 「声の芯」の習慣(習慣2)
  • B. 文の終わりが聞こえないと言われる、息が続かない → 「息」の習慣(習慣1)
  • C. 声が低く、暗くなった気がする → 「響き」の習慣(習慣3)
  • D. 朝や久しぶりに話すと声が出ない → 「朝の声出し」(習慣4)

たーなーメソッド「100×100」では声の特徴を100の項目で分析しますが、60代からの方には、まずこの4つのどこから始めるかを決めます。

習慣1(息):ゆっくり吐き切る呼吸 1分

声のもとは息です。息を吐く力が弱くなると、文の終わりまで声が続きません。

  • 椅子に浅く座り、背すじを伸ばす
  • 鼻から軽く吸い、口を細くして「スー」と10秒かけて吐き切る
  • これを3回。慣れたら15秒、20秒と伸ばす

お腹を固める必要はありません。息を一定の量で長く吐くことが目的です。くわしくは「腹式呼吸とは」をご覧ください。

習慣2(声の芯):「ん」と「あ」で声をはっきりさせる 1分

かすれた声、息がもれる声は、声帯がしっかり合わさっていないことが多いです。

  • 軽く「ん」と言ってから、そのまま「あ」につなげる(「んあ、んあ、んあ」)
  • 大きな声は出さない。小さくても、はっきりした「あ」になれば成功
  • 5回を1セットで、2セット

喉が痛いときはやめてください。息もれの声の直し方は「息漏れする声を直す方法」でもくわしく解説しています。

習慣3(響き):ハミングで声を前に 1分

声が暗く低くなったと感じる方は、響きが喉の奥にこもっていることが多いです。

  • 口を閉じて「ん〜」とハミング
  • 唇や鼻のまわりがくすぐったく振動する高さを探す
  • その響きのまま「ん〜ま、ん〜み、ん〜む」と口を開いていく
  • 最後に「おはようございます」と言ってみる

習慣4(朝の声出し):新聞や本を1分音読

朝いちばんの声は出にくいものです。一日の最初に声を使う習慣をつけると、日中の会話が楽になります。

  • 新聞や本の一段落を、ふだんより少しゆっくり、口を大きめに開けて音読する
  • 語尾の「す」まではっきり言い切る

朝の発声については「朝に声が出ない理由と対策」も参考にしてください。

習慣5(いちばん大事):1日1曲、好きな歌を歌う 1分

最後は好きな歌を1曲、口ずさむだけで大丈夫です。歌は、息・声の芯・響きを一度に使う、いちばん自然なトレーニングです。昔よく歌った曲、思い出の曲がおすすめです。姿勢のポイントは「歌うときの正しい姿勢」で紹介しています。

60代からボイトレを続けるコツ

  • 毎日5分を「同じ時間」にする(朝の歯みがきのあと、など)
  • 録音して、1か月前の自分の声と比べる
  • 目標を作る(孫の前で歌う、町内会や合唱で歌う、電話で聞き返されなくなる)
  • 無理をしない。喉に痛みがある日は休む

よくある質問

Q. 60代から始めても、本当に声は変わりますか?

A. 変わります。年齢による変化はありますが、息の使い方と響かせ方を整えることで、話し声も歌声も出しやすくなります。

Q. パソコンやスマホが苦手でも、オンラインのレッスンを受けられますか?

A. スマホやタブレットがあれば受けられます。つなぎ方は最初にご案内します。最初の接続だけ、ご家族に手伝ってもらうのもおすすめです。

Q. 歌ではなく、会話の声を良くしたいだけでもいいですか?

A. はい。話し声のご相談も受け付けています。

Q. 合唱団に入っていますが、個人レッスンも役に立ちますか?

A. 役に立ちます。自分の声の出し方が整うと、合唱で声を合わせることも楽になります。

自分の声に合った「始め方」を知りたい方へ

声の変化の原因は人によって違います。同じ「かすれる」でも、息の人、声帯の合わせ方の人、姿勢の人がいます。自分に合う練習から始めることが、続けるためのいちばんの近道です。

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