この記事の答え
劇団四季のオーディションも宝塚音楽学校の受験も、歌の審査で見られるのは「上手さ」だけではありません。歌の審査で大切になるのは、次の3つです。
- 決められた曲を、楽譜どおりの音と言葉で、最後まで崩れずに歌えること
- 緊張していても、いちばん高い音といちばん低い音が同じ声の質でつながること
- 歌の中で「誰が・誰に・何を伝えているか」が見えること
本番の8週間前から、この3つを順番に固めていきます。
監修・執筆:たーなー先生(ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導。劇団四季・宝塚に進んだ方や現役の方の指導経験もあり)
はじめに:この記事を書いている人
ボイストレーナーのたーなー先生です。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上の歌を見てきました。その中には、劇団四季や宝塚に進んだ方、今も舞台に立っている方もいます。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王の指導もしてきました。
受験やオーディションの前には、「声は出るのに、本番になると高い所でひっくり返る」「家では歌えるのに、審査員の前だと言葉が流れてしまう」という悩みがよく出てきます。
これは声の力が足りないのではなく、「本番の条件で崩れない練習」をまだしていないことが原因の場合があります。この記事では、その練習を8週間に分けてお伝えします。
※この記事は、合格を約束するものではありません。審査の内容・日程・応募の条件は年によって変わるため、必ず劇団四季と宝塚音楽学校の公式サイトの最新の募集要項でお確かめください。
1. まず知っておきたい「歌の審査」のこと
劇団四季のオーディション
劇団四季のオーディションでは、歌・ダンス・台詞(せりふ)など、舞台に必要な力を順に見られるのが一般的です。作品ごとの公開オーディションでは、その役の曲を歌い、すぐに台詞の場面に移ることもあります。歌の出来だけでなく、その役に見えるか、芝居として伝わるかも見られています。
- 募集の時期、応募の条件、歌う曲(自由曲か課題曲か)は、募集ごとに違います。応募の前に公式サイトの募集要項を確かめてください。
宝塚音楽学校の受験
宝塚音楽学校の入学試験では、面接・声楽(歌)・ダンスなどが段階ごとに見られます。歌は、示される課題曲から選んで歌うのが基本で、あわせて短い新曲を見て歌う試験が行われる年もあります。
- 受験できる年齢・回数、試験の時期・段階・内容は、その年の募集要項で必ずお確かめください。
どちらにも共通すること
- 歌う時間は短い(1曲を通して歌えないこともある)
- 知らない場所・知らないピアノ・審査員の前で歌う
- 歌の後すぐに、面接や台詞、ダンスに切り替わる
つまり「短い時間で、初めての条件で、最初の一声から本来の声を出す」練習が要ります。
2. 本番までの8週間
- 1〜2週目:声を「調べる」週
今の声の高さの幅(いちばん高い音・低い音)、地声と裏声の切り替わる場所、息の長さを測ります。たーなー先生のレッスンでは、たーなーメソッド「100×100」(声の特徴を100の項目で見て、1万通りの組み合わせから練習を選ぶ方法)で、どこから直すかを決めます。 - 3〜4週目:課題曲の「土台」を作る週
歌詞をつけずに母音(あ・お)だけで歌い、音程とリズムを楽譜どおりにそろえます。録音して、ずれた所に印をつけます。 - 5〜6週目:「つなぎ目」を消す週
いちばん高い音の手前と、地声から裏声に変わる所だけを、くり返し練習します。宝塚の課題曲のようにクラシックの発声に近い曲では、ここが大切になります。 - 7週目:「伝える」週
1行ずつ「誰に何を言っているか」を書き出し、言葉として届く歌にします。劇団四季で台詞の審査が続く場合も、ここが土台になります。 - 8週目:「本番の条件」で歌う週
朝いちばん・立ったまま・ウォーミングアップ5分だけ・知らない人の前で、の4つの条件で通して歌います。オンラインのレッスンなら、先生の前で歌うこと自体が本番の練習になります。
3. 審査で見られやすい3つのポイントと、家でできる練習
ポイント1:楽譜どおりに、最後まで崩れない
- 練習:スマートフォンで録音し、楽譜を見ながら聞き直す。ずれた音には赤、言葉が聞き取れない所には青で印をつける。
- つまずきやすい所:サビの前で息が足りなくなり、音が下がる。息つぎの場所を楽譜に書き込むと、直しやすくなります。
ポイント2:高い音と低い音が同じ声でつながる
- 練習:「う」の口のまま、低い音から高い音まで滑らかに上がって下りる(サイレンのように)。1日3回・各10秒から。
- つまずきやすい所:高い音で喉に力が入り、急に細い声に変わる。音を「上に取りに行く」のではなく、前に流すつもりで出すと、つながりやすくなります。
ポイント3:誰に何を伝えているかが見える
- 練習:歌詞を話し言葉に書き直し、相手役(または客席のひとり)に話しかけるように読んでから歌う。
- つまずきやすい所:きれいに歌おうとして、どの言葉も同じ強さになる。1行に1つ、いちばん届けたい言葉を決めると、歌が芝居になります。
4. 本番当日の歌い方
- 会場に着いたら、大きな声で練習しない。ハミング(口を閉じて「ん」)で、低い音から高い音まで3往復だけ。
- 最初の一声は、いちばん大事な一声。息を吸いすぎず、話し始めるくらいの息で歌い出す。
- 音を外しても止まらない。崩れたあとに戻れるかも見られています。
- 歌い終わったら、すぐに次の審査(面接・台詞・ダンス)に気持ちを切り替える。歌の出来を引きずらないことも準備のうちです。
本番の緊張については「本番の日の過ごし方」もどうぞ。
5. ATOのレッスンでできること
- レッスンはすべてオンライン(Zoom)。自宅から受けられるので、遠方の受験生も受けられます。
- 料金:月2回 11,000円/月4回 16,500円(入会金5,500円。無料体験の当日に入会の場合は0円)。くわしくは料金へ。
- まずは無料体験(25分・0円):今の声の高さの幅と、つなぎ目の場所をその場でお伝えし、本番までの練習の順番をご提案します。
6. ほかの記事もあわせて
- お子さんの始めどき(何歳から・年齢別の練習)→ 子供のボイトレは何歳から?
- 歌手を目指す人の道のり(どこから始めるか)→ 歌手になるには?
- オーディション全般の心得 → オーディションの選曲とポイント
- ミュージカルの発声の基礎 → ミュージカルのボイトレ
- 体験レッスンでは何をする? → ボイトレの体験レッスンでは何をする?
7. よくある質問
- Q. 劇団四季のオーディションでは、どんな歌を歌いますか?
-
A. 募集によって、自由曲の場合も、作品の曲を指定される場合もあります。応募の前に、劇団四季の公式サイトの募集要項で必ずお確かめください。どちらの場合も、短い時間で崩れずに歌い切れるかと、役として伝わるかが大切です。
- Q. 宝塚音楽学校の受験の歌は、いつから準備すればいいですか?
-
A. 課題曲が分かったら、少なくとも8週間前からの準備をおすすめします。声の高さの幅やつなぎ目の直しには時間がかかるため、受験を考え始めた時点で、まず今の声を一度見てもらうと安心です。
- Q. クラシックの発声とミュージカルの発声は違いますか?
-
A. 響かせ方や言葉の出し方に違いはありますが、土台(息の流れ・つなぎ目のない声・正しい音程)は同じです。受ける先の曲に合わせて、土台の上に歌い方を足していきます。
- Q. オンラインのレッスンで、本番の準備になりますか?
-
A. なります。オンラインでも、高さの幅・つなぎ目・音程・言葉の聞こえ方を確かめられます。また、画面の向こうの先生の前で歌うこと自体が、知らない人の前で歌う練習になります。
- Q. 合格できるかどうか、見てもらえますか?
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A. 合否のお約束はできません。体験では、今の声の良い所と、本番までに直したい所、その順番をお伝えします。
- Q. 未経験でも劇団四季や宝塚を目指せますか?
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A. 応募の条件は公式の募集要項によります。歌については、未経験の方もまず土台から始められます。何から始めればいいかは、無料体験でお伝えします。
- Q. 無料体験では何をしますか?
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A. オンライン(Zoom)で25分。今の声を聞いて、高さの幅・つなぎ目・息の使い方を確かめ、受験・オーディションまでの練習の順番をご提案します。費用は0円です。
- Q. 家で大きな声が出せません。受けられますか?
-
A. 受けられます。小さな声でできる練習があります。カラオケボックスから受けることもできます。
- Q. カメラ(顔出し)は必要ですか?
-
A. 姿勢や口の形が見えると、アドバイスが具体的になります。カメラについてご希望があれば、申込の時にお知らせください。
- Q. 小学生・中学生のうちから準備した方がいいですか?
-
A. 始める年齢より、本人が歌いたいと思っているかどうかが大切です。お子さんの始めどきの目安と年齢別の練習は「子供のボイトレは何歳から?」にまとめました。受験・応募できる年齢は、公式の募集要項で必ずお確かめください。
最終更新:2026年10月
