結論:ファルセットとは、裏声の一種で、息がたくさん混ざった、やわらかく軽い響きの高い声のことです。同じ裏声でも、息もれが少なく芯のある声は「ヘッドボイス」と呼び分けます。
- ファルセットは「力を抜いて、ため息に声を少し乗せる」と出ます。喉で押し上げると、かすれるか、ひっくり返ります。
- 裏声との違いは「息の量」です。息が多い裏声=ファルセット、息が少なく芯のある裏声=ヘッドボイス(下の図)。
- 自分の裏声がどちらか分からない方は、録音して聞き比べる方法(下の「1分で確かめる方法」)か、無料体験で確かめられます。
こんにちは、たーなー先生こと田中直人です。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』の優勝者・新人王・U18四天王をはじめ、30年間で5万人以上のボイストレーニング(ボイトレ)をしてきました。
ファルセットの出し方のコツは、のどの力を抜いて、息をたっぷり混ぜながら高い声を出すことです。声を「張る」のではなく、ため息に少しだけ声を乗せる感覚から始めます。この記事では、ATOのレッスンで実際に行っている練習を3ステップでお伝えします。
ファルセットとは? 裏声・ヘッドボイスとの違い
ファルセットとは
高い音を出すための声の出し方(声区)の一つで、息がたくさん混ざった、やわらかい裏声のことです。地声に対して「裏声」と呼ばれる声の仲間に入ります。研究者によってはファルセットと裏声(頭声)を分けて考えることもあり、呼び方には幅があります(出典:Wikipedia「ファルセット」)。
ファルセット・ヘッドボイス・ホイッスルボイスの違い
ATOのレッスンでは、高い声を次のように整理しています。
- ファルセット:息もれの多い裏声。音量は小さめで、やわらかく、はかない響きです。
- ヘッドボイス:息もれが少なく、芯のある裏声。歌手が実際の歌でよく使う声です。
- ホイッスルボイス:さらに高い、笛のような声。練習が進んだ先で出せるようになることがあります。

ファルセットは、ヘッドボイスへ進むための入り口です。まずは息の多いファルセットを楽に出せるようにし、そこから少しずつ息を減らして芯を足していくと、ヘッドボイスにつながります。裏声全体の基本は裏声とはにまとめています。
ファルセットの出し方 練習3ステップ
どの練習も、のどに力を入れず、短い時間から始めてください。
ステップ1:インナーマッスルブレスキープ
- 口を半分開け、鼻7割・口3割の割合で、背中の方へ向けて息を吸います。
- 腰を少し丸め、腰→背中→肩甲骨→肩→首→顔→目の順に、息が満ちていくイメージを持ちます。
- 腰とお腹の両方がふくらんだ状態で、10秒キープします。キープ中も、体の内側の筋肉でさらに息を取り込むつもりでいます。
- 口は半開き、のどは開いたままにします。
ステップ2:ブレスボイスコントロール
- ためた息を、ため息のように吐き出します。
- もう一度たっぷり吸い、女性はhiB(B4)、男性はmid2E(E4)あたりの高さで「ふわー」と出します。最初は息99%・声1%くらいで十分です。
- 慣れてきたら、息90%・声10%くらいまで声を足します。それでも、ほとんどが息の音で構いません。
息をたっぷり吐く練習なので、途中でふらっとすることがあります。そのときはすぐに休み、自分のペースで進めてください。
ステップ3:リップロールから「うー」へ
- 唇をプルプル震わせるリップロールを、一定の息で続けます。
- リップロールのまま、高めの「うー」を乗せます。
- 息の量を変えずに、唇を止めて「うー」だけを残します。これがファルセットの感覚に近くなります。
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自分の裏声がファルセットかヘッドボイスか、1分で確かめる方法
スマートフォンの録音を使います。
- 楽な高さで「ほー」と、裏声を5秒のばして録音します。
- 同じ高さで、ため息をつくように息を多めにして、もう一度録音します。
- 2つを聞き比べます。息の「サー」という音がはっきり聞こえる方がファルセット、息の音が少なく、細くても芯のある音が残る方がヘッドボイスに近い声です。
どちらも同じに聞こえる、2つ目で声が消えてしまう、という方は、息の量をまだ自分で変えられていないサインです。ここは自分の耳だけでは分かりにくいので、講師に聞いてもらうと早く進みます。
自分の裏声がどれか分からない方は、25分の無料体験で確かめられます。
よくある失敗
- のどを締めて高い声を出そうとする:苦しそうな細い声になります。ファルセットは「力」ではなく「息」で出します。
- 息を怖がって減らしすぎる:最初から息を少なくすると、声がひっくり返りやすくなります。最初は息が多すぎるくらいでちょうどよいです。
- 大きな声でやる:ファルセットはもともと音量が小さい声です。音量はヘッドボイスの段階で上げていきます。
- 地声で話す時間しかない:ふだん低い声だけで話していると、高い音域にのどが慣れていないことがあります。日常の会話で、少し高めの声を使ってみてください。
「ファルセットしか出ない」ときは
高い音がすべてファルセットになってしまう方もいます。その場合は、ファルセットで出せていること自体が良い土台です。次は地声とつなげる練習に進みます。地声と裏声をなめらかにつなぐ方法は、ミックスボイスとはを参考にしてください。カラオケでの使い方はカラオケ裏声の出し方にまとめています。
原因は人によって違うので、一人で迷ったときはプロのボイストレーナーに聴いてもらうのが近道です。
よくある質問
Q. ファルセットとは何ですか? A. 裏声の一種で、息がたくさん混ざった、やわらかく軽い響きの高い声です。息もれが少なく芯のある裏声は、ヘッドボイスと呼び分けます。
Q. ファルセットとヘッドボイスはどちらを練習すればいいですか? A. まずファルセットからです。力を抜いて息を混ぜる感覚がつかめたら、息を少しずつ減らしていくとヘッドボイスに近づきます。くわしくは「ヘッドボイスとは」へ。
Q. 「フォルセット」と「ファルセット」は同じですか? A. 同じものを指します。英語の falsetto をカタカナにしたときの書き方の違いです。
Q. 男性でもファルセットは出せますか。 A. 出せます。男性も女性も、のどの力を抜いて息を多めに混ぜれば、ファルセットの感覚はつかめます。
Q. ファルセットと裏声は同じですか。 A. ファルセットは裏声の一種と考えると分かりやすいです。ATOでは、息もれの多い裏声をファルセット、芯のある裏声をヘッドボイスと呼んで区別しています。
Q. 練習中にのどが痛くなりました。 A. すぐに練習を止めて休んでください。痛みやかすれが続く場合は、耳鼻咽喉科で相談してください。
Q. 毎日どのくらい練習すればよいですか。 A. 1日数分からで十分です。短くても毎日続け、録音して聴き返すと変化に気づきやすくなります。
まとめ
ファルセットは、息をたっぷり混ぜた、やわらかい裏声です。ブレスキープで息をため、「ふわー」で息99%から声を足していき、リップロールから「うー」につなげる。この3ステップを、のどの力を抜いて続けてみてください。ファルセットが楽に出せるようになったら、次はヘッドボイスへ進みます。
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執筆:田中直人(たーなー先生)|ATOボーカルスクール代表 プロフィール


